人間の条件 ハンナ・アレントは労働をどのように考えたか

 現代の労働優位に最大の危機の兆候をみています。わかりやところでは、オートメーションの機械生産が、極限までいくことによって、大量消費社会を実現して、「生命そのものに従って自動的に進む労働」には本来終点がないことから膨張を続ける社会を警告しています。危険な状況は、浪費社会になってしまっていること、ものが世界に現れた途端にむさぼり食わなければならないー労働を優位に置く社会の帰結として、環境の破壊と資源の収奪という現象になります。

 

 アレントは、仕事と活動の復権という労働とは違う概念によって世界を救う手立てを思考しています。人間と生命のリズム(機械的リズム)の切り離しを図ることーこのことが問題の鍵になっているのだと思います。

 

 労働は循環運動の一部でその活動力は自然の循環の中に拘束されていることから、始まりも終わりもないー仕事は、その対象物が完成して、物の共通世界に付け加えられることで終わるー労働は有機体の死で、「苦労と困難」は終了することになります。

 

 労働なのか仕事なのか?そのことは、常に問われる命題でもあり、市民が言論の活動を取り戻すためには、労働から自分を切り離し、手仕事としての仕事を復権していかなければならないということです。

 


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