学習に関して、好き嫌いの影響ー脳科学から考える

 意味を記憶するためには、長期記憶にしておかなければ、意味自体を使いこなせるものにはなりません。繰り返しやらなければならないーこのことは、脳のシナプスを有効にするためには、やる他はないところです。数学の公式をみてなんとなく理解することは、公式を使いこなせるようになることとは違うことから理解できるのではないかと思います。

 大脳の周り、大脳辺縁系に記憶に関係するところで、海馬と扁桃体があります。海馬の役割は、日常生活の記憶を蓄積しておいて、その記憶は1〜2年ほどで、大脳皮質にうつされることになります。扁桃体は、人間の好き嫌いの感情をコントロールするところで、損傷した場合には、恐怖、敵意などを感じられなくなってしまいます。扁桃体は海馬にくっ付いていて、海馬の記憶に影響を与えるようになっています。つまり、嫌いな勉強は、記憶しにくいということになります。恐怖を伴う学習であれば、嫌いでも、もしかして別の結果が出るかもしれませんが、それは健全ではないでしょう。好きでやることは、かなり記憶として定着しやすいことは間違いありません。学習する場合は、その内容を好きになる方法を見つけ出す努力をすることを怠ってはいけません。

 睡眠と学習の関係ですが、海馬と扁桃体は寝ている間も覚醒していて、内容を整理してくれるという仮説があります。数学の問題が寝ている間に解けるようになった体験がある人がいると思いますが、その事実を実証しています。

 徹夜で学習してもあまり効果がないのは、むしろ、物理的に記憶の定着を阻害していることになるー寝るときは寝るーということではないかと思います。



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