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現代政治学についてー政治行動論と政治過程論 公務員受験の方へ

伝統的な政治学から現代政治学へ

伝統的な政治学は制度論、哲学、歴史学、法律学等を元にしています。


一方、現代政治学は隣接する諸科学を利用して総体を表現しています。もちろん、伝統的な政治学は中核に、旧来のものを抜きには語ることはできません。


19世紀の共通の価値観、神を中心とするものは崩壊することになり、合理的人間という神話を解体することになります。


現代政治学と呼ばれるものの萌芽

〈ウォーラス(1858年〜1932)〉

イギリスの政治学者のグレアム・ウォーラスが1908年に「政治における人間性」を著し、合理的人間性に対して、実は人間は非合理的な感情によって行動し、それこそが決定的な役割を果たしていると強調しています。


逆説的な感じですが、彼の非合理性を是していきたいという思いと、エリートというカテゴリーの解体と大衆についての考え方を変えたいという思いがあったということが重要です。


政治学に心理学的な視点を取り入れたことも功績となっています。これを「政治行動論」といいます。


伝統的な政治学は制度論に力点がありました。20世紀の最初は既存の概念に挑戦が行われ評価されていますが、新大陸のアメリカの力量が充実してきた時代だとも考えられます。


〈ベントリー(1870年〜1957年)〉

A・F ベントリーは、制度論を批判し、「死せる政治学」とまで言っています。


政治とは何か?そもそもは、人によってとらえかたは様々ですし、それも一言では言えない、メディアで国会中継がありますが、あのことが政治だと単純に思ってはいけません。


ベントリー自体は、政治を集団間の現象とみなしました。アメリカの圧力団体の利害調整と相互作用の調整過程の分析を行うという動態的な研究を行って、「政治過程論」の原点となっていきます。


シカゴ学派の台頭ー行動科学革命

制度論の批判と法学、哲学、歴史的な側面を研究する「伝統的な政治学」に代わり、アメリカの学会は、隣接諸科学との関係を強めながら、現代政治学を形成していきます。


実験的なという意味では、都市としても実験的なシカゴにおいて、シカゴ学派が形成されていきます。

〈メリアム(1874年〜1953年)〉

メリアムは、そのシカゴで多くの研究者を育成します。弟子を育てることの重要性は後の学会を支配するシカゴ学派の隆盛で明らかです、つくづくここが最も重要な話なのだと考えられます。


行動科学としての政治学


行動と科学、そもそも人間の集団としての行動自体が理解し難いーずばりそれがわかる人は、かなりな利益を手にすることができると思います。


行動科学は人間の行動を、データの基づき、仮説を立てて、その仮説が正しいことを証明して、一般法則として通用することを実証します。


一般法則をもとに社会開発を行うことが行動科学の基本的態度ということになります。


ラスゥエルはフロイトの影響を受け「権力と人間」の中で、権力とパーソナリティ、政治的無関心の分析を行っています。


また、ラザーフェルドは投票行動の研究など、基本的に現在の政治学研究の基本的な枠組みの一つを提供しています。


現代政治学の特徴的な言葉は、「システム」です。政治システムは相互に関連のあるシステムを構成している現象を指すのですが、D・イーストンが1953年に「政治システム」を著し、政治システムを政治を分析する分析用具という側面で説明して、政治自体を「社会に対する諸価値の権威的配分」ととらえています。


「政治分析の基礎」(1965年)では、システムをある体系に対する入力を出力に変換する装置ととらえています。まさに科学という感じになってきます。


イーストンの政治システムを発展させ構造機能分析(パーソンズと同じ)を行ったのが、G・Aアーモンドで、構造自体の基本機能をいかなる条件の基で遂行するのかという課題へと発展します。


このあたりは難しい感じがしますが、政治システムを統一的な一つの機能として把握したいという意識の現れだと思うます。秩序とでも呼んだらいいのでしょうか。


カール・ドイッチュ(1912年〜92年)のサイバネティクスモデルは政治システム論にコミュニケーションと制御を導入してくるのですが、政策決定過程とコミュニケーションの回路の関連を明白にすることの課題の重要性などは、今の社会の「情報」の重要性と問題を適切に提示しているものです。私的には興味がある考えなのですが、日本ではあまり流行ってなかったようですね。


この後は、立つ行動科学の時代に入っていきます。




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