痴呆状態における言語能力の喪失はそのまま日常生活に影響してくることになります。
もともと、言語による把握で世界をみること、拡大をしてきた自己を喪失することになり、仮想的な現実であってもなんらかの手がかりのあった世界から追い出されてしまうことになります。
追い出されることは自体は即座に深刻な問題にならないのかもしれない、問題の源泉は周辺の事情、コミュニケーションの誤謬にあると考えられます。
コミュニケーション自体は、もともと痴呆症でなくても成立していないかもしれないーというのは、各々別の精神的な世界に住んでいることから、その事態が進行する以前から成立していなかったし、言葉は誤解の元であったと考えられます。
周辺の問題は、記銘力の低下に気づかない場合で、態度の変化に苛立ちを覚えることだと思います。
人は、同じ世界の住人ではないことを理解しなければ、トラブルはなくならない、一見不可解なものを受容することから始めなければならないと思います。
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