種子法の改正の誤解ーでも関心を持つことはいいこと

新品種は、種苗会社、都道府県の公設試験場、農研機構、個人の品種開発者等が開発していて、知的財産上の価値があります。


優良な新品種の流出を抑止することは、産地づくりを進める都道府県や高付加価値の農作物を出荷する産地の農業者におおきなメリットとなっていて、ブランドを形成していく努力は欠かせないものです。


ブランド形成したものにフリーライダー(経済学においては、公共財などに対価を支払わないで便益(都合がよく利益のあること)を享受する者を指す用語)が出てくると、ブランド価値を損なう可能性もあるし、フリーライダーがそもそも許されるかという問題が存在します。


「日本で開発されたブドウやイチゴなどの優良品種が海外に流出し、第三国に輸出・産地化される事例があります。また、農業者が増殖したサクランボ品種が無断でオーストラリアの農家に譲渡され、産地化された事例もあります。このようなことにより、国内で品種開発が滞ることも懸念されるので、より実効的に新品種を保護する法改正が必要と考えています。」(農林水産省 ホームページから引用)


農林水産省が国内の開発者が開発した品種の権利を守ることは行政として当然のことであるし、それをやらなければ不作為を問われることになると感じます。

また、品種の保護が強化されることで、品種開発が進む可能性もあり、農業者の品種の選択の幅が広がるなど農業者のメリットもあるところで、適切な品種管理を行うことは、農業者にデメリットをもたらすものではありません。


日本は、農業者と種子開発者の育成などを同時に考えた的確な政策を行なっていくことで、国民の食の確保を行なっていかなければならないと思いますし、種苗法の改正は行政がやるべきことをやっていると感じるところです。


ただ、こうして種苗法の改正が何かのきっかけで関心を持たれたことは、いいことなのだと思います。


今回一番誤解されていたー自家増殖ができなくなるの?に回答したの部分です。


「自家増殖は一律禁止になりません。

現在利用されているほとんどの品種は一般品種であり、今後も自由に自家増殖ができます。

改正法案で、自家増殖に許諾が必要となるのは、国や県の試験場などが年月と費用をかけて開発し、登録された登録品種のみです。そのような登録品種でも許諾を受ければ自家増殖ができます。」(農林水産省 ホームページ)


よくある誤解は、「自家増殖で同じ種子ができる」だと思います。例えば、いねの品種の特性は自家増殖の種子で保たれているのかは保証することはできないー特性は常に変化していくということです。変化しない販売ブランド上の特性はいつまでもあるわけではないとうことー種の特性は変化し続けるということを知らないことにあると思います。F1の特性とF2の特性は常に違う可能性がある。ーこのことが大切な知識だと思います。ただ、自家増殖でも安定した性質のものがあるかもしれないのですが、その部分がフリーライダーの活躍できるところでもあります。




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