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能力は生活の質を高めるのか、QOL(クオリティオブライフ)の追求の是非

単純な能力主義から言えば、能力が高いほど社会的な安定は増すと考えてもおかしく無いことになります。能力を一つの要素として捉えて、その要素が箱が積み上がるように積み上がっていく感覚が間違いなければ問題なく、そのことを肯定することになります。


相対的に物事を感じるとする心理学の立場からは、積木を積むようには、幸福感は増加しないということが言われています。


「死」というものを意識した時に、どれほど要素を積み上げたとしても、あまり意味のない話であることは、体感として感じていても、頭では理解はしていないということでもあると思います。


人間が自然から隔離された場所にいて、医療もその範疇で行われ、病気もカテゴリー化される中では、体感の鈍麻を進行させている世界にいるという事実が、人間の最大の不幸の原因の一つであると思います。


癌の終末期の病棟であっても、生活満足度は健康な人との差はないとのレビューもあり、病を抱えていない生活といえども、単純なQOL追求には無意味だと感じます。


自然の体感は花の一生の中にも現れます。それは、その中にある死故の美しさでもあります。


「科学の第一線で活躍しながら、科学にはこの「richness of the present」(いまのいまの豊かさ)」が欠落していると、厳しく指摘したのがヴァレラだった。」(森田 真生 数学の贈り物 ミシマ社)





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